子どもは甘やかして育てるとストーカになる
好きな人に振り向いてもらいたいのは誰でもが持つ恋愛感情。
恋とストーキングの違いは相手を理解しているかどうか。
人を理解できる子どもにするには、甘やかさないことです。
2000年11月に、いわゆるストーカー規制法(「ストーカー等の規則等に関する法律)」が
施行されたのは皆さんのご存じの通りです。
ときには殺人事件にまで発展するケースもありますからたかがストーカーと侮れません。
『人はなぜストーカーになるのか』(文春文庫)の著者、
故・岩下久美子さんは、「ストーカーの愛情欲求は3、4歳レベルである」
「子育てによる虐待と過保護。相反する極端な子どもへの接し方がストーカーを生む」と記しています。
ストーカーになるのは、親にすべて責任があるというわけではありませんが、彼らは
まるで母親の愛情を無心に求める子どものように、相手に対する思い募らせることがあります。
好きな人に会いたい、振り向いてもらいたいという気持ちは、恋をした人なら誰にでもあります。
独り占めしたいという気持ちになることもあるでしょう。
この、誰もが持つ恋愛感情とストーカーのどこが違うかといえば
「相手が嫌がっているかどうか。そして、それを理解できるかどうか」という点です。
小学校高学年になると、人は相手の立場も考えながら物事を判断できるようになります。
これを「相対的関係性の認知」といいます。
相手の立場を考えることによって、ひとには思いやりや優しさが生まれます。
ところがストーカーになる人はその認知度が低く、自分の愛情欲求ばかりが先走ります。
「妄想性認知」といい、実際には相手が恋愛感情を持っていないのにもかかわらず
本人は愛されていると信じて疑いません。そして、まわりの人が指摘しても訂正することはありません。
しかし現実には相手は振り向いてはくれません。
そこで現実と妄想の溝を埋めようとしてストーキングを始めるのです。
子どもをストーカーにしないためには相手の立場に立ってものを考えることの大切さ
何でも思い通りにはならないことを教え、我慢することを覚えさせることです。