ココロノコトワリ

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知ってた?子どもに「◯◯しちゃダメ!」と言うのが逆効果なワケ 言い換えるなら、この言葉

子どもが自立する、イライラしない、育児がラクになる……。こんな嬉しいことが、世界トップ機関の研究にもとづいた「テキトー子育て」で実現すると提唱するのは、幼児教育のプロで、著書『1人でできる子になるテキトー子育て』もある、はせがわわか氏だ。子どもへの声がけで大切なのは、「肯定語」を使うこと。なぜなら子どもは、否定語を理解するのが苦手だからだ。どのように言い換えればよいか、はせがわ氏に具体的なコツを教えてもらった。


「否定語」を理解するのは難しい
「ウサギを想像しないでください」

そう言われると、ウサギを想像してしまいますよね。つまり「ウサギを想像してください」と言われているのと同じ反応をしたことになります。

人間の脳は、否定語を理解するのが難しいんです。子どもはなおさらです。

京都大学の松村暢隆教授は、各年齢18人ずつの幼稚園児に対して、指示に合う色と形の組み合わせの図形を選ぶように言いました。すると、肯定語の場合、例えば「赤い三角」を間違えた4歳児は一人だけ、5歳児で全員正解でした。

一方、否定語の場合、例えば「青い丸と違うもの」という指示を出すと、正解した4歳児は18人中7人しかいませんでした。「青い丸」に気持ちが囚われてしまうんですね。

ですから、例えば結婚式に参列する時に「ここでは騒いじゃダメだよ」と言われれば言われるほど、子どもは「ここでは騒ごうね」という言葉のシャワーを浴びたのと同じ状態になります。やってはダメだと分かっていても、頭の中では「騒ぐ」に気持ちが囚われてしまいます。

 

つまり「○○しちゃダメ」という否定語の言葉がけは、子どもの意識にわざわざやってはいけないことのイメージをどんどん注いでいるのと同じです。結果、ちょっとした刺激でやってはいけない行動をさせてしまいます。

この場合は「ここでは静かにしていようね」という風に、肯定語で伝えてあげればいいんです。そうすると子どもの意識には「静かにする」が注がれます。肯定語で語り掛けることによって、落ち着いて静かにいられるようになるわけです。ちょっとした言葉がけの違いで、子どもの行動はガラッと変わります。

他にも例えば、「○○すると××になっちゃうよ」という言葉がけも同じく、子どもが正しい行動をとりにくくなってしまいます。「遅れちゃうよ」「怒られちゃうよ」「嫌われちゃうよ」などのような否定的な言葉がけも要注意。

「一緒にお片付けすれば間に合うね」などのように、肯定的な言葉がけに変えてみましょう。

子どもの自己肯定感を高める
さらにもうひとつ。子どもが何かにチャレンジしている時にもネガティブな言葉がけをしないことも大切です。

例えば輪投げをしていて外した時、親が何も言わなければ気にも留めないのに、外れるたびにわざわざ「外れちゃったね」というような言葉を浴びせていると、どんどん「外れた」に気持ちが囚われます。こうなると、無駄に苦手意識を持たせてしまうことになりかねません。

一方で、うまくいかなかった時に「おしい!」「あと少し!」というようなポジティブな言葉に変えてあげるだけで、子どもは「うまくなっている」という風に意識することができます。

同じ状況でも、親の言葉がけによって子どもは自分の状態をポジティブにもネガティブにも変えられます。小さな積み重ねでも、1年積もれば全然違いますよ。

 

自分は何だってできるんだ! と思っている子どもはとてもかわいいものですが、もしかしたら「このままではとんだ勘違い人間にならないか?」と、ちょっと不安になることがあるかもしれません。

でも、大丈夫です。フロリダ・アトランティック大学で発達心理学を教えるビョークランド・デイヴィッド教授は「低いメタ認知能力(自分のことを自分で理解する力)で、自分の能力を実際より高く判断するからこそ、幼児はさまざまな活動に挑戦することができ、結果が不完全でもそれを失敗ととらえないで済む」と言っています。

幼児期に見られる、いわばうぬぼれの強い状態は、いたって正常です。

フロリダ州立大学のロイ・バウマイスター教授も、子どもの自己肯定感を高めたからといって、いわゆるナルシシストにはならないと言っています。

小学校に入学したあと、自分の力がいかほどのものかが分かるようになるまでに自分への自信をちゃんと育てていれば、「悪いところもあるけど、いいところもいっぱいある自分が好き!」と思えるようになるわけです。

ありのままを受け入れよう
でも中には、大人になっても自分の力を過大評価して特別扱いされたがる困った人もいますよね。周りは正直、ちょっと迷惑かも……。

 

スイスの心理学者であり精神分析家であるアリス・ミラーは、ナルシシズム的傾向の高い人は「ありのままの自分自身を愛せないがゆえに、無意識に自分を誇大化することで他者からの愛情を得ようとしているのであって、幼児期にありのままを受け入れてもらえなかったことが原因だ」と言っています。

子どもの成長は、みんなデコボコです。何でも「自分が!」という状態を経る子もいれば、ちっとも前に出ていけない状態を経る子もいて、ほっとけば結局、ちょうどいいところに落ち着いていきます。今、この瞬間、ちょうどいい状態ではなくても、問題なしです。

 

たいていのことは「できてもオッケー、できなくてもオッケー」、きまりを守ったり守れなかったりすることは「今はそれでオッケー」。3ヶ月後にできるようになるにはどんな声掛けがいいかなと、考えてみてはどうでしょう。幼児期こそ、無敵の自己肯定感を子どもにプレゼントするチャンスですよ。